2009/11/15

その土曜日、7時58分


シドニー・ルメット監督の社会派サスペンスです。
一見エリートとして成功しているが麻薬に溺れ、会社の金を横領している兄が、娘の養育費も払えないうだつのあがらない弟に強盗話を持ちかける。ターゲットは両親が経営する郊外の宝石店。勝手知ったる店ならば、誰も傷つけず大金を手に入れられるはずだった。しかし、現実はそう簡単にいくわけもなく。。。

兄役のフィリップ・シーモア・ホフマン、弟役のイーサン・ホークをはじめ、キャストは好演しております。登場人物皆が問題を抱えていて自己中心的で、誰かに感情移入するのは難しいです。物語の軸になるのは(家族)ですが、それぞれが相手に対して抱いている不信感や冷めた感情、目的を正当化する為のエクスキューズにしていた不満が露呈した途端、まるで転がるように悲劇が連鎖していきます。
まるで(ハムレット)や(タイタス・アンドロニカス)のようなシェイクスピア悲劇を観ているような感じがしました。

原題は(Before The Devil Knows You`re Dead)。ナイスタイトル。